HSPとエンパスの違いが、あやふやになっていませんか?
ネット上の記事を見ると、HSPとエンパスの解釈の仕方がバラバラで、大きく分けて3つの解釈の仕方があるようです。
これを読むと他サイトの関連記事を理解しやすくなります。
ぜひご一読ください。
目次
HSPとエンパス のあるある話<2つは何が違うの?>

エンパスをどう定義するかによるわね。

どういうこと?

どうやらネット上には3つの分類の仕方があるようね。
詳しく解説していくね。
HSPとエンパスの解釈の仕方 3パターン
HSPとエンパスの関係性は、大きく分けて以下の3つの捉え方をされています。
①HSPとエンパスを同一視している。
②HSPは心理学の分野で研究対象として測れるもの。
エンパスは、超自然現象を扱う非科学的なものとして、相入れない。
③HSPの一部の人がエンパス。
①は「人の感情」に対する共感力が非常に高い人をエンパスと定義しています。
②と③は「人の感情」の他に、「目に見えないものや人間以外」に対する共感力・察知力が高い人がエンパスの定義に入っています。
パターン1. HSPとエンパスを同一視している

empathyと似た言葉にsympathyという単語があります。
どちらも日本語訳にすると「同情・共感」となってしまいますが、ニュアンスが異なります。
empathyは相手と同じ立場に立ち、感情を共有して寄り添う「同情・共感」。
一方、sympathyは同じ感情を理解しなくとも哀れむ「同情・共感」。

心理的な距離感が異なります。
この違いをわかりやすい例で説明しているのが、TEDに幾度も登壇されているヒューストン大学のブレネー・ブラウン博士の解説アニメ動画。
(画面をタップすると右下に出てくる歯車マークから日本語訳の字幕が選べます。)
ここで言うエンパス(empath)とは、むしろ上記のsympathyのように相手の感情を理解しないことのほうが難しく、さらに上記のempathyよりも相手との物理的距離が近く相手と自分の境目が曖昧となり、相手のポジティブな感情もネガティブな感情も自然とスポンジのように吸収してしまう人のことを言います。

・相手と自分の境界線が曖昧になっている→HSPの4つの特徴D・O・E・Sを招きやすい
・HSPの4つの特徴D・O・E・Sを持っている→相手と自分の境界線が曖昧になる
鶏が先か、卵が先かの問題のように捉えているのが、HSPとエンパスを同一視している捉え方です。
パターン2. HSPとエンパスは全く別物だとしている

前述の通り、ここで言うエンパスとは「人の感情」以外に「目に見えないものや人間以外」に対する共感力・察知力が高い人のことを差しています。
ニューヨーク・タイムズのベストセラー作家でもあるアメリカの精神科医Judith Orloff先生は著書「THE EMPATH’S SURVIVAL GUIDE」の中でエンパスを以下のように大きく3つに分類しています。
・身体的なエンパス
・感情的なエンパス
・直感的なエンパス
さらに直感的なエンパスには、以下の7タイプあると説明しています。
・テレパシー能力のあるエンパス
・予知能力のあるエンパス
・夢から直感的な情報を得るエンパス
・魂にアクセスできるエンパス
・植物と繋がれるエンパス
・地球と調和できるエンパス
・動物と繋がれるエンパス
Judith Orloff先生は、エンパスはとても敏感だと説明されていますが、HSPという表現を使っていません。
また、HSPの概念を提唱された心理学者エレイン・N・アーロン博士は、HSPとエンパスを同時に語ることを避けています。
Oxford dictionaryには、empathを”(chiefly in science fiction) a person with the paranormal ability to perceive the mental or emotional state of another individual.”と説明されています。
アーロン博士がHSPとエンパス を同時に語られないのは、エンパス を上記のempathの定義によって捉えているからのようです。
サイエンス・フィクションで超自然的能力を持った人に関して述べるのは、心理学の範疇ではないとするのは、当然のことですね。
パターン3. HSPの一部がエンパスだとしている
ここで言うエンパスは、前述の2つの分類の仕方で触れたエンパスの捉え方が混在しているパターンです。
つまり、「人の感情」に対しても、また「超自然現象や人間以外の生き物」に対しても共感力が高い人をエンパスと捉えている場合です。

HSPの中には「人の感情」以外に、「超自然現象や人間以外の生き物」に対して共感力を持っている人と持っていない人がいるという考えです。
まとめ
HSPとエンパスは同一のものである、別物である、またHSPの一部がエンパスである、といった3つの解釈のされ方があります。
3つの分類のされ方に分かれてしまうのは、エンパスの定義によって異なるから。
エンパスを「人の感情」に対して非常に高い共感力を持った人と捉えるか、「人の感情」以外に「超自然的なものや人間以外の生き物」に対しても高い共感能力を持った人と捉えるかの違いによるものです。

なんでこんなに紛らわしいの?

一人の人間をいろんな角度から見ているから表現の仕方が違ってくるんだろうね。
どんな名前で呼ばれようと、その人はその人。
分類の仕方うんぬんよりも、その人が抱えている問題が明確になって対処していけたらいいね。
【参考図書】
「THE EMPATH’S SURVIVAL GUIDE」Judith Orloff 著
これの日本語訳も出版されたようです。
HSPとエンパスは違うの?